ヒカリのdestinationから見る光学。
ヒカリのdestinationのCDが発売されて,最初に歌詞をしっかりと聴いた時,僕は「めっちゃ光学的なことを言うじゃん」と感じた。狙っていたのかそうでないのかは知らないけど,あるテーマを創作の道具として用いるってこういうことだろうなと思ったわけですよ。
というわけで,そのうちこうして文章に残しておこうと思っていたわけです。とはいえ,僕は文系であって理系ではないから,物理学のところか知らんけど,光学を専門としている人から叩かれるのが怖くもある。
話は変わるけど (本題行くまで飛ばしていいです) ,なんか歌詞考察とかやっている人いるじゃないですか。なんか面白いこと書いてあるのかなって思ったら本当にただ歌詞を説明しているだけで残念だった。それが悪いとは言わないけど,求められる歌詞考察ってもっと違うんじゃないかなって。僕が求めてるっていうことからだけど。
つまりは,歌詞考察と題していたやつのほとんどって,受験生が現代文の問題を解きましたって感じなのね。現代文の問題を解くときのコツって,書いてあること以上を想像しちゃいけないのね。自分の主観とか入れちゃダメなの。そんな風に書かれたものって退屈なのね。正しいけど。
これまで自分がしてきた経験とか得てきた知識とか,そういうものを絡めて,「私はこういうことをこれから想像しました!」っていう考察というか感想文? それを見たいのですよ。
そう,読書感想文,そっちだね。
さて,本題です。ヒカリのdestinationの歌詞を見ての感想文です。
まず,ヒカリのdestinationという題名を見て,何を思ったかってところですよ。直訳して「光の行き先」という感じでしょうか。僕はこれを聞いて最初トンネルを思い浮かべたんですよ。
でもすぐ「あっ,違うわ」となりました。トンネルって中は暗くて,光が差し込んできている側じゃないですか。そんな暗いところを目指すことを題名にはしないでしょって話ですよ。
そんで,歌詞を見ながら曲を聴いて,光学を思ったわけです。
そもそも,光 (ここでは特に太陽光のことを話してしまうのですが) って,電磁波の一種なんですよね。いろいろな波長のものが合わさっている。
ニュートンの研究で,プリズムを用いたものがありますよね。暗室に小さい穴から光を取り入れて,それをプリズムに当てるっていうやつです。
皆さんご存知の通り光は各波長ごとに分散して,七色の帯となりますよね。虹の事ですね。
さて,この虹について,歌詞でも遠回しに触れています。
"雨上がり青い空" ですね。雨上がりの空といえば虹を探すものですね。
さらに,"ワクワクする方へと 勝手に動き出すよ 言うこと 聞いてくれないハート"という部分,プリズムに入り,各々波長ごとに分かれた光を想像しませんか? 僕はします。
さて,ニュートンの実験は光をプリズムに通して波長ごとに分かれることを見出して終わってはいません。ニュートンはその光の帯を凸レンズに通し収束させ,再度プリズムを通すと,分散した帯が再び色を持たない (?) 元の光に戻ったのです。
さて,光が収束して再び一筋の光となること,皆さんお気づきですね。
"繋がってく ヒカリの束 その先へ"
というわけです。
さて,イルミネーションスターズのそれぞれの色を持つ光それぞれ輝いたり,一つに集まって別の光として輝いたりという物語を,ニュートンの実験に置き換えて表現したわけですね。
深くは書きませんが,そんな感じで2番の歌詞を眺めると"カラフルな波"や"虹になって空を駆ける"と,直接的に表現している箇所もありますね。
これまで,光学の基本的なことから歌詞を見てみましたが,実はヒカリのdestinationには他にも話せそうなことがあります。その一つとして感覚について。
光って視覚刺激じゃないですか。それをつかむや (触覚) 響き渡る (聴覚) とモダリティを超えて表現しようとしているところとか考えてみると面白さがありそうですよね。
残念ながら文字数もそこそこだしやることもあるのでこの辺で。
考えるのが面倒になったとか言わないでください。
どちらかというと光学から見るヒカリのdestinationでした。