批評家とは,美なるものから受けた印象を,別個の様式もしくはあらたな素材に移しかえうる者をいう。
(ドリアン・グレイの肖像,オスカー・ワイルド)
昨日はアイドルマスターシンデレラガールズ6thライブナゴヤドーム公演DAY2だった。
結論から言うと,個人的にはこれまでのどの公演よりも良いと言えるほど素晴らしいものだった。
そして,満足してしまった。これ以上アイドルマスターシンデレラガールズのライブについて何かを求めることが出来なくなってしまった。この辺が引き際なのかもしれない。アイドルマスターシンデレラガールズから引退しようと思う。
この新幹線の中で感想を書いて,最後にする。
いくつか曲を挙げていく。
Sunshine See May
とても映える曲ですね。曲を聴いていると,どこかの落ち着いた避暑地のような風景が浮かび,木漏れ日に照らされて心が洗われるようなそんな曲。共感覚を刺激してくるようなとでも言った方が良いですかね。
おんなの道は星の道
正直に言って舐めていた。だからこそかも知れないが,完成度の高さになおさら驚かされた。「この世界のこと分かってる?」とか言われるかも知れないが,花井美春さんはどこでも生きていけるだろう。
彼女はこの空の下でも歌っていたが一人だけ歌唱力が別格だった。完全に自分の曲にしてしまっていてずるいなって。
とりあえずアイマス曲の花井美春カバーアルバムとか出してみれば良いんじゃないかと思ってしまった。
ラブレター
いまさら何か書くことはあるのだろうか。
まぁ,1番楽しみにしていたというだけあって聴けて良かったよと。
こういうコテコテのアイドル曲みたいなのって良いよね。
ツインテールの風〜恋が咲く季節
僕の考えたセットリストをそのままやられた。後にも書くが,引退を考えた。「ここでこの曲やるのか〜」ではなく「これ来るかな……来たわ……」と言うわけですよ。
“With Love”は種﨑敦美をセンターに添えたものを聴けて満足。
Neo Beautiful Pain
相変わらず,流石としか言いようのない気持ちのこもったパフォーマンス。そういえば松井恵理子を見ていると水樹奈々が被ってくる。
ソロで個人名義での活動ってしないのかな? それとも神谷奈緒役の松井恵理子だからあそこまで気持ちを入れることが出来るのだろうか?
何はともあれ,誰もが認める完成度。
∀NSWER
ラブレターに続き特に聴きたかった曲。
1日目でも披露されたが,音響トラブルがあったか,少なくとも僕の耳にはしっかりと歌声が届かなかった。
2日目はそのようなことはなく,昨日の悔しさを振り払うかのようなパフォーマンス。花道を歩く朝井彩加,体は小さいがとても大きな意思を持っているのだと思わせるウォーキングで,その姿を見て涙が溢れていた。
Trinity Field
まぁ,これもいまさら書くことはあるかと言うわけですが。
歌上手い証明綺麗で心を打たれて。
流れ星キセキ
そんなTFを聴きつつ思ったわけですよ。「流れ星キセキをやるならここしかない」と。
これまでの僕は,4thの時現地で聴けなかった流れ星キセキを追って彷徨う魂だった。「もう,流れ星キセキはやらないだろうなぁ」って思いつつも影を求めてライブへ足を運ぶような。
メットライフドームDAY2でもやりそうな雰囲気を出しておいてやらないし。
だからこそ「やるならここだけど,もう来ないだろうなぁ。でも来たら僕への手向けだろうな」と。
しかしイントロが流れ始めると「あっ」と声が漏れた。死に場所を見つけましたとでも言わんばかりのね。
always
流れ星キセキが終わって「このままつぼみかalwaysをやったら,もう望むことはない」と覚悟を決めた。そしてalwaysをやってしまった。と,いうわけです。
その後の”Stage Bye Stage”では自分の手を離れていくアイドルマスターシンデレラガールズのあらたな門出を見送る気分だった。
そして演者が一旦掃けた後はアンコールをする気にはなれなかった。アイドルマスターシンデレラガールズ(完)と言った感じ。
これまでの思い出を振り返りながら,さようならと。
そうして座っていたわけですが,そういえば最後の“お願いシンデレラ”を楽しんでいこうと。そして心いくまで楽しんでライブを終えました。
自分はプロデューサーであり,ライブでは批評家だった。自分以外の誰かの作ったステージに対し,「自分ならこうする,ああする」という風に自然と感想が湧いてきたものだ。
しかし,今回はそのようなことがなかった。自分のしたかったことが出来てしまったわけだ。
バーンアウトと言うやつですね。
僕の心が変わっていく前に流れ星キセキまで聴けて良かった。とても満足してしまったわけだ。これから大きく変わっていくであろうアイドルマスターシンデレラガールズの新たな門出と素晴らしい未来を願います。
別々の道へ進むわけですが,いつまでも貴方達のことを想っています。
いつかアイドルマスターシャイニーカラーズで。